年末商戦の慌ただしいショッピングモール。
その日は日曜日でいつもの日より混んでいます。シャツを選んでいると、
私の求めるサイズがあいにくありません。ふと見るとマネキンが
着ているサイズが求めたいサイズでした。近くにいた店員さんに
尋ねると、在庫も無いのでマネキンが着ている一着だけとのこと。
「他の色で試して、お買い上げになるのでしたらマネキンのもの
を脱がせますがどうしますか?」という返事。戸惑った私はなん
だか気おくれしてしまい、その店を出ました。
しばらくして、その店の前を通ると他の店員さんが、マネキン
の服を脱がせてる最中です。「この服は売れたのですか?」と
尋ねると「いいえ、先ほどお客様がこの服に興味があったよう
なので、このサイズを並べておこうかと思って。」と話され
ました。
「もしかして、それは私ではないでしょうか?」と言うと。
「そうでしたか~。お気に召されたのにすぐに対応出来ず
申し訳ございませんでした。」と明るく素敵な笑顔。
胸元の名札には「店長」の文字が。
「どうぞ手に取って、ゆっくりご覧くださいね。」と言っ
てシャツを差しださしてくださいました。
素敵な対応にすっかり魅了された私は、試着もせず(笑)
そのシャツを買って帰りました。
忙しい仕事の中で、時には面倒だったり、急いでいたりで
心無い言動が出てしまいがちですが、この店長さんのように
お客様への清々しい対応はキラッと光ります。
日頃から労をいとわず、丁寧にお仕事にあたる事を心掛け
たいものです。仕事が自分自身を育ててくれ、お客様の為に
役立つことが仕事になるって、有難いことです。
この一年に感謝して、来年も良い仕事ができますように。