お導きできなくて・・・
大阪の某百貨店で娘と二人。突然の大雨に靴を濡らしてしまい
新しい娘の靴を買うことにしました。しかしどの靴を履いても
どこかが痛くて、どれもピッタリくるものがありません。
二時間くらい、いったい何足試着したことでしょうか。それでも店員さ
んは嫌な表情を見せることもなく、手際よく中敷きしたりしてください
ます。こんなに沢山出してくださったのだから、少しくらい妥協して
買うのはどうかしら?そうも考えたりしてしまいます。
それでも途中で諦めて、あたりを一周しておりましたら、何気なく
目に止まった一足の靴。娘のサイズも丁度在庫があります。
他の店員さんに声をかけ試着してみると、「どこも痛くないわ。
これピッタリ」と嬉しそうです。やれやれとお会計をしていたら、
最初にさんざん対応してくださった店員さんがいらっしゃいました。
先ほどまで何時間もかけて一緒に合う靴を探していただいたので、
お礼を申し上げ、買う靴が見つかったことをお話ししました。すると
その店員さんは「そうでしたか。良かったです。私がお導けなくて
申し訳ございませんでした。」素敵な笑顔で答えてくださったのです。
「お導けなくて・・・」突然の言葉に一瞬戸惑いましたが、プロだなぁと
感心してしまいました。
仕事でお客様に長い時間かけて説明をしても、理解していただけない
こともよくあることです。そんな時に自らの至らなさを素直に認める
店員さんの謙虚さとその言葉に、帰りの飛行機の中は優しく暖かな
気持ちになっていました。
明日から私もこの店員さんの事を思いださして、もっと説明に工夫す
べきことはないのか考えてみよう・・・。
傍らでは大阪での買い物収穫に大満足の娘がすやすや寝ています。
「そう言えば、私のものは何も買ってないわ・・・まぁいいか。(笑)」