魔法の言葉
救急診療室。働く誰もが慌ただしく動き、
付き添いの者でさえ、その異様さにたじろいでしまう。
一方でベテランの看護師さん達は、平然と黙々働いている。
老人の血圧を測定しながらも、若い看護師さんは老人に
優しくしっかりとした口調で声かけしている。
「〇〇さん、血圧は大丈夫ですよ。僕より元気かも
しれない。だから今日は帰れますよ。」
「僕より元気かもしれない」と言ったので、私は
近くで見ていて思わず笑ってしまった。
手慣れた感じだけど、暖かく声かけする看護師の
「大丈夫」という言葉に背中を押され、老人は
何だか急に元気そう。
「大丈夫」という魔法の言葉。
仕事でミスした部下に。
悩みを抱えている子供に。
大切な誰かに。
厳しい局面に遭遇しても
「大丈夫」私があなたを守るから。
私も一緒に考えるから。と言える人に
なりたいと思う。