アタイグァーと生きがい
病気で声を失った方の
財産を売却するお手伝いをしました。
その土地に小さな(アタイグヮー)で畑をなさっていたSさんは、
畑で野菜を育てるのが日課でした。
声を失ったことで、人とのコミュニケーションが思うようにいかず
畑に向き合うことで、植物と会話していたのでしょうか。
事情があって、畑とともに土地を売却した後は
とても落ち込んでいたそう・・・
それを聞いたときは、私まで心が重く苦しくなってしまいました。
財産には人それぞれに、思い入れや歴史があって
それを仕事として扱う私たちも、常にその事に敬意を払っています。
だからこそ、丁寧に誠実に仕事をしなければと思うのです。
1か月後、所用があってSさん宅を訪問。
母屋の前の通路脇に、小さな菜園が!!
Sさんの新しい畑です。(嬉!!)
顔を近づけてよ~く見ると、ミニトマトが実をつけてます。
あら、ここにも、あそこにも。
梅雨も終わりかと思う暑さが続いた沖縄の太陽で
ミニトマトもグーンと成長した様子。
私まで嬉しくなって、Sさん宅の玄関に入る時には
すでに心はウキウキです。
出迎えたSさんは、最初にお会いした時のように
目元がやさしく笑っている穏やかな顔でした。
梅雨が明ける頃、きっとミニトマトは美味しそうに
真っ赤になっているでしょうね。