経理の合理化・・・。その3
伝票会計の考え方を捨てる!
~振替伝票はなくても問題ない~
簿記のルールを使って、商取引を記録するようになってから何百年も経ちます。それ以来、長い間、伝票や帳簿を使って記録されてきました。
法人税法で義務付けられている帳簿は、原則として、総勘定元帳と仕訳帳です(法人税法施行規則54条、商法も同様)ほとんどの会社では、振替伝票を綴じたものを、この仕訳帳の代わりにしています。
それぞれの取引の記録(仕訳帳)と、それを科目ごとに整理したもの、つまり、総勘定元帳が最低限あればいいということです。
もちろん、それが手書きでなければならないということはありませんし、振替伝票の形式で1枚づつ保管しておく必要もありません。
パソコン会計の場合、データさえ入力されていれば、帳票はいつでも印刷できます。したがって、決算完了後に総勘定元帳と仕訳帳を1年分まとめて印刷しておけば問題ありません。
多くの会社では、振替伝票を書いて、それを見ながら、空白の伝票入力画面に仕訳をはじめから入力するという事をしています。このやり方では、慣れた人でも、伝票を書く時間と同じくらい、入力に時間がかかってしまいます。
その為、元帳への転記や試算表の集計が自動化されて、せっかく効率化されても、伝票入力作業という新しい作業が増えた事により、パソコン会計の導入効果を帳消しにしているのです。つまり、二度手間なのです。
10年ぐらい前のパソコンは勘定科目名をコード(数字)で認識していました。なので、仕訳データを入力する前に、科目コードのついた科目印(たとえば「現金111」のハンコ)を伝票に押していました。ここまでやってあげてから、入力担当者が、科目コード「111」を使って入力していたのです。以前は、経理社員の机にはいつも、この科目コード印の箱が置いてありました。
この名残もあって、起票する人と、入力する人が分かれていたり、会計事務所にデータ処理を依頼する場合も、必ずこの科目コード印を押さなければなりませんでした。
また、領収証からダイレクトに入力しています。という人でも、領収証に科目コード印を押してから入力していたりします。このように、入力準備作業をしてから、データを入力すると言うクセがついてしまっているのです。
これは、必要のない作業ですので、入力のための準備作業は省略して、そのままパソコン会計に仕訳を入力していきましょう。