年金資金の運用その2
前回、公的年金の構成を見てきましたが、公的年金の運用実績はどうなっているのでしょうか?過去5年間の運用実績を見てみましょう。
基金の年間の運用実績(単位:億円)
平成13年度ー13,084
平成14年度ー30,608
平成15年度 44,306
平成16年度 22,419
平成17年度 86,811
となっています。とくに平成17年度の年間運用実績は、過去最高の約8兆6000億円(市場運用分、運用手数料等控除前)の黒字で、ここ3年間は黒字傾向です。それを受けて、楽観的な見方をしてしまいがちですが、今年4~6月期の運用が、総合収益額で2兆32億円の赤字だったと発表しています。利回りベースで見ると、-2.73%になるとのことですからそうもいってられません。なぜ4月~6月まではこんなに赤字を出してしまったのでしょうか?
株式市場(日経平均)の各年度末(終値)の騰落率に目を向けてみると、下記となっています。
日経平均の年間騰落率(単位:万円)
平成13年度20,726→12,999(15%ダウン)
平成14年度12,937→11,024(28%ダウン)
平成15年度 7,986→11,715(47%アップ)
平成16年度11,683→11,668(0%)
平成17年度11,723→17,059(46%アップ)
となっており、統計から見ると、年金運用利回りと株式市場の騰落がほぼ対応しているのがわかりますね。今年もまだあと3ヶ月ほどありますので、最終的にはどうなるかわかりませんが、今年の日経平均の動きをみると、きびしいかもしれません。しかし、これからは国内債券の構成比率を引き上げていきますので、より安全な運用へとシフトしていくと思われます。