若年性アルツハイマー症とは?!
現在、渡辺謙さん主演で映画化もされ若年性アルツハイマー症が話題になっています。
18~64歳に発症した認知症の総称で、厚生労働省研究班の1996年の調査(ちょっと古いですが)によると、患者数は人口10万人当たり32人で、国内に少なくとも4万人はいると考えられています。発症のきっかけが分からないケースも多いのですが、45歳以上では高齢者と同じようにアルツハイマー型が多く、45歳未満では、交通事故などで頭部に衝撃を受けたり、脳卒中で血管が詰まるなど、きっかけが明らかな場合もあります。症状は記憶障害が中心なのですが、初期症状として記憶障害がほとんどなく、人格変化や行動傷害が起きるタイプもあり、診断が難しいため、医師が統合失調症やうつ病、更年期障害などと間違えることもあるそうです。
また40~64歳の場合、介護保険も発症原因が頭部外傷など外的要因では適用されず、アルツハイマー症など老化に伴う時に限られます。働き盛りで発症すると、休職や失業で収入が減り、子どもが進路の変更を余儀なくされることも。
問題は経済面だけではありません。デイサービスのケア施設などを利用することが可能ですが、若くエネルギーがあるため、若年認知症の特徴である興奮やはいかい、暴力も激しくなり介護が難しくケア施設から通所を断られることもあるため、介護のため配偶者も仕事を辞めるケースも。そのため厚生労働省は四月より、若年の特性に応じたケアに対し介護報酬の上乗せも開始しました。
現在、根本的な治療法はなく、記憶障害や認知機能障害などは進行を遅らせることしかできませんが、イライラや落ち込みといった症状は治療できるため、早期発見・治療が症状の進行を遅らせることができると専門家も指摘しています。民間の介護保険で備える方法もあります。おかしいと思ったら認知症の専門医の診断を受けましょう。